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5週間のリマ滞在ともなると毎日タクシーで移動するわけにはいかないので、思い切って初めからバスに挑戦してみました。初めこそは苦戦したものの、1週間ほどで慣れてきて、バスに乗らない日は物足りなさすら感じるほどになりました。それでもやっぱりバスに乗るのは毎回とてもエネルギー使って大変です。いろいろ観察してみてわかってきたリマのバス事情や感想を書いてみようと思います。

バスに乗車する時はモタモタしちゃいけない

リマではバス停のことをパラデロ(Paradero)といいます。

基本的にはこのバス停のある場所で乗り降りします。乗りたい時はまず、タクシーを止める時のようにバスに向かって手をあげて合図。大きなバス停だととにかくいろんな路線のバスが頻繁に通るので、自分が乗りたいバスをしっかり見極める必要があります。

わからない場合はしらみつぶしに、自分の行きたいところに止まるかをバスの人か周りにいる人に聞くしかありません。乗る前からもうエネルギー使います。ちなみに慣れてくれば、ルートの番号やバスの色などでも判断できるようになってきますよ。

パラデロの標識

あと10メートルほどでバス停に到着しそうなところで、自分の乗りたいバスが信号待ちなどしていたら、自分からそこまで乗りに行かないと、うっかりぼーっとバス停で待っているとそのまま通過されてしまう事もあるので気をつけてください!

そしてバスに乗るとき、お金を払うのは乗り込んでから。運転手ではなく集金係の人に払います(※)。まずはとにかく乗り込めー!って言われるので、入り口でモタモタしていると怒られます。下手するとまだ乗車中なのに走り出してしまう事も!ほんと危ないので気をつけましょう。

(※)個人経営ではない市バスなどは乗る時に運転手に行き先を告げて、その場でお金を払います。市バスの方はわりと落ち着いています。

集金係にお金を払いましょう

リマの個人経営のバスは基本的に、運転手は集金しません。運転手は運転に専念しています(その割にはほとんどの人が運転荒い・・・)。

運転手の他に運賃を集金する係員・コブラドール(Cobrador)という人が乗っています。彼らは運転手と同じユニフォームを着ていて、乗車口または降車口で行き先を大声で叫んでいるのですぐにわかります。

Todo Benavideeees!!(トード・ベナビーデース!・ベナビデス通りは全部通りますよー!)、Toda la Marinaaaa!!(トーダ ラマリーナー!・ラ マリナ通りは全部通りますよー!)、こんな感じの掛け声をよく聞きます。リマ名物と言っても過言ではないぐらい・・・。

心配しなくても必ずコブラドールがバスの中で小銭シャカシャカしながら集金にやってきます。どんなにぎゅうぎゅう詰めのバスの中でも、きちんと集金します。あれは本当にスゴイわざだなといつも感心してしまいます。

バスの運賃は料金表に基づいているのでぼられることはほぼありません。ただ、自分が行きたいところを伝えないと料金がわかりません。コブラドールの人に行き先を告げるといくらか言ってくれます。そして払うと領収証のようなチケットを渡してくれます。これ、バスに乗っている間は手に持っていた方がいいと思います。しまってしまうとまた集金にやってくる事も。

バスはとにかく揺れます。立っていたりするとお財布の中から小銭探したりするのはとても難しいので、バスに乗る前にあらかじめ小銭を財布から出して、ポケットなどに入れておきましょう

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降りるときがまたバトル

バスに乗った後もあまりホッとはできません。慣れてくれば、まずは座るところを確保した方が良いと思います。慣れてないうちは、運転手のそばにいた方が良いかも(しかも運転手の視界に入るぐらいの距離)。行きたい場所に着いたら教えてもらう為にです。「ここに着いたら教えてください」と言って後ろの方へ行ってしまったら、見事に忘れられてて目的地をだいぶ過ぎてしまったこともあります。

降りたい場所が近づいてきたら、ちょっと早めに出口へ向かって待っていた方が良いでしょう。後方にある降車口にも降車を知らせるブザーがありますが、時どき壊れていたりして鳴らないことがあり顔面真っ青になってしまう事も。。。

すごいスピードで通り過ぎて行ってしまうので、そんな時は「降りまーす!」って叫ばなきゃいけません(もちろんスペイン語で、ちなみにスペイン語だとバハーン!です)。私はまだそんなにたくましくないので、いつも前から降りるようにしています。そして降りたいところが近づいてきたら運転手さんに直接「パラデロ、ポルファボル」とか言って止まってもらいます。わかりやすい建物だったら建物名などを言っても良いかと思います。

変わることのできないリマの交通事情

リマの交通渋滞は朝から晩まで続いてるような感じで、お互い譲り合う精神などもほぼなく、いつもみんなイライラしながら危なっかしい運転をしています。クラクションも煽るようにしつこく鳴らします。この日常ってはっきり言って最悪です。でも不思議と慣れてくる・・・。たった5週間でもある程度慣れてしまうので、ペルーの人たちはもう当たり前でなんとも思わないのかもしれません。

この最悪なバス事情について、おそらく国もどこから改善していけばいいのかわからない程になっているんだと思います。過去にとある女性議員が改善を試みようとして、まずは集金を機械でできるようにしようとしたそうです。日本では機械で集金したりカード払いがもう何年も前から導入されているので、いまだにそんなことで改善を試みようとして、結果改善されていないのがどれだけリマの交通事情が発達していないのかがよくわかっていただけるかと思います。ちなみに他の南米の都市では機械で集金するバスを導入しているところもあるそうです。

なぜ改善されないのか。

リマでは、そうなると集金係のコブラドルの仕事が無くなってしまいます。彼らは決して良い稼ぎではないかもしれないけども、職を確保し普通に暮らせているわけで、この生活を壊されるのを反対。運転手もまた自分の宝である今のバスを手放したり変えたりするのは嫌だ、今のままで良いと反対して結局は何も変わらなかったそうです。

そしてその女性議員はのちに汚職に関わってしまい、何も変わらなかったどころか、国の恥がまた一つ増えてしまったという黒歴史に終わったそうです。

ここ最近のペルーの大統領や政治家も、みんなお金がらみの汚職に関わって惨めな結末を迎えているのをニュースでよく目にします。きっとこの国が良い方向に変わっていくのには時間がかかるのだろうななどと、外国人の私が余計なことと思いつつもバスに乗りながら考えているのでありました。

ちょっとしたバス用語のまとめ

バスに乗りながらいろいろ観察をしているうちに覚えたスペイン語を少し書いておこうと思います。人によって言い方なども違うし、正しいスペイン語かどうかはわかりませんが、通じるとは思います。

  • パサ ◯◯?(Pasa ◯◯?)
    「◯◯は通りますか?」・・・◯には場所や通り名が入ります。
  • アバンセアバンセ〜(Avance avence〜)
    前に進んで!後ろにつめて!・・・激混みのバスの中でコブラドルがよく叫んでいます。聞こえたらつめてあげましょう。
  • ヤ レ パゲ(Ya le pagué)
    「もう(あなたに)払いましたよ」・・・運賃を払ったにも関わらず、コブラドルが再び集金に来た時に使えます。「ゲ」のアクセント強めに言いましょう。
  • ◯◯ トダビア?(◯◯ Todavia?)
    「◯◯はまだですか?」・・・◯には自分の降りたいところや目印にしている所が入ります。
  • バハン!またはバハ!(Bajan! Baja!)
    「降りまーす!」・・・後ろから降りる時にブザーが鳴らなくて口で言うしかない時に大声で言います。
  • バハンド!(Bajando!)
    「まだ降りてる途中です!!」・・・こんなことってあまりないけど、まだ降車中なのに走り出してしまうなんていう恐ろしいことがあるんです!!同じ路線のバスが同時に走っていたりすると、乗客争奪戦で競い始めたりする最悪なバスもあります。恐ろしいですよね。それで乗客と運転手が大げんかしている場面にも遭遇したことがあります。
  • ペルミソ ポルファボル(Permiso por favor)
    ぎゅうぎゅう詰めの人の中を歩く時に「ちょっとすいません、通してください」と言う感じで言います。

いかがでしたか?バスに乗るのは大変だけども、タクシーに比べるとだいぶ安上がりになります。少しでも交通費を節約したいという人はバスに乗ってみるのもちょっとした冒険になるかもしれません。

先ほども書きましたが市バスの方はこんなに酷いことはありません。また、クスコなどの地方都市だともっとのんびりとした感じで落ち着いています。

言い忘れてしまいましたが、どこの国でも当たり前のことですが、お年寄りの方や年配の方、時には女性が優先的に座っています。座っている若い男性の目の前にお年寄りが立っているのに、ボーッと座っていたりすると周りからも注意されます。間違っても寝たフリなどせず(周りから起こされて、席を譲ってあげなさいと言われますよ)、積極的に席を譲りましょう。

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