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メキシコとアメリカの国境沿いにはいくつかの都市が点在しています。その中のひとつであるシウダードフアレス(メキシコ・チワワ州)と、国境を越えた向かい側のエルパソ(アメリカ・テキサス州)。ここまで行く人もあまりいないと思うので、このふたつの都市が隣り合わせになっているこのエリアは一体どんなところなのかを、実際に私が訪れた時の様子を写真とともに紹介しようと思います。

f:id:soymaquita:20180315223728j:plainPhoto− I Love Juárez | Facebook

メキシコシティから3時間半、砂漠の中にある町

シウダードフアレスはメキシコシティから飛行機で約3時間半。アエロメヒコをはじめ、LCCのInterjet(インテルジェット)Volaris(ボラリス)なども就航しています。飛行機の着陸前に窓の外をのぞいていると、この町が砂漠の中にあるのがよくわかります。

メキシコからアメリカへ徒歩で越境

フアレスの街には特に大きな観光スポットなどはなく、わざわざ観光でやってくる人はあまりいないかもしれません。自家用車で移動する人がほとんどなのか、公共交通機関などもあまり充実していないような感じでした。

しかし島国に住む日本人からすると、陸続きに国境を越えられるというのはなかなか珍しいものですよね。それで十分な観光スポットになると思うのは私だけでしょうか。

私もフアレスに初めて来た時はまず国境を越えてアメリカへ渡ってみたいと思っていました。フアレスとエルパソ間の国境ゲートは何ヵ所かあるようですが、フアレスのセントロ(旧市街)とエルパソのダウンタウンを結ぶPaso del Norte(パソ・デル・ノルテ)という国境ゲートがいちばん観光にはポピュラーで、メキシコとアメリカを徒歩で行き来するのに利用している人が多いようです。

ゲートに掲げられている国旗

Paso del Norte(パソ・デル・ノルテ)。国境を歩いて渡っているとこのような光景に出会えます。

フアレスからエルパソへ向かう車。メキシコからアメリカへ向かうゲートはいつも渋滞しているそう。クリスマスやバケーションシーズンになると渋滞はさらに激しくなるようです。

国境に流れる川リオグランデ。国境の川というと滔々(とうとう)と流れる大河のような険しいものを想像していたのだけど、砂漠の中でなんとか干上がらずにがんばっている感じの細い川でした。

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イミグレでの手続き、入出国カードの返却は忘れずに

メキシコからアメリカへ入国する場合は、日本からアメリカへ入国するのと同様に入国管理局で審査を受けます。その前に出入国許可証(I-94W)を6ドルほどで購入し、必要な事項を記入しておきました。

アメリカ入国時にカードの半分を切り取られて、残り半分の出国カードを返されますが、これはメキシコへ戻る際に返却しなくてはいけないもの。アメリカからメキシコへの入国はほとんど何もチェックされることなくあっさりと通過できてしまうので、出国カードを返しそびれないように気をつけましょう。

国境ゲートを超えるとアメリカのテキサス州、エルパソへ入ります。

街並みはアメリカっぽいんですが、スペイン語の表示が多くて、話し声ももスペイン語が飛び交っているので、あまりアメリカにいる感じはしませんでした。

地元の人たちの楽しみは夜遊び

フアレス出身の友人がいるので、何度か訪ねに遊びに行きました。その友人は「フアレスでの楽しみは夜に踊りに行ったり飲みに行ったりすることぐらいしかない」といつも言っていました。確かにその通りで、国境越え以外に行ったところといえば友人の親戚の家のバーベキューぐらいで、他に行くところは特にありませんでした。

あとは車があればエルパソに大きなショッピングモールがあるので買い物を楽しめるぐらいでしょうか。

フアレス 繁華街の夜

フアレスのクラブやバーが建ち並ぶエリア。

クラブなどの夜遊びスポットはメキシコのどの町とも変わりません。音楽が大音量でなり響き、となりの人たちともすぐに打ち解けみんなで飲んで踊る。しかし夜中の2時にはどこも閉店してしまうので、日本で朝方まで営業している繁華街などを思うと意外な感じがしました。

というよりも、むしろはじめはこの危険といわれる町で夜遊びできることの方が驚きました。

大賑わいだったスポーツバー「El Rudo」。モニターで試合観戦が終わると音楽が流れてクラブになりました。

週末の真夜中の国境ゲート

クラブ閉店後の国境ゲート。通過するまでに2時間近くもかかって驚きました。正直なところ、東京で週末に飲みに行ったあとに、超満員の終電で帰るのと同じぐらいに興ざめしてしまいました。しかしこれほどの人たちが週末になるとメキシコへ遊びにきているということは、エルパソの夜遊び事情はよほど退屈なのだろうか…。

越境は日常的なこと

フアレスに住むメキシコ人の友人は毎日国境を越えてアメリカへ通勤しています。システムエンジニアの彼にとってはアメリカの方が条件よく働けるのだそう。それでも仕事以外の時間はメキシコで過ごしているそうです。デカセギの一種とでもいうのでしょうか。

また、エルパソに住む彼の友人(アメリカ国籍)もアメリカで働いているけども遊ぶのはメキシコなんだそう。

こうやって国をまたいで、仕事と生活で使い分けているのもこのエリアならではの習慣であり、他のメキシコの町では感じることはできないものでした。

いちいち国境を超えるのは正直なところけっこう面倒でした。観光で滞在してるだけでもそう思ったぐらいだから、毎日通勤で越境している友人のことを思うと本当に大変なんだろうなと思います。

東京の通勤ラッシュと比べたらどっちが楽なんだろう…。

映画などでついてしまったフアレスの悪いイメージ

2010年前後にシウダードフアレスを舞台にした映画などが何本か公開されていました。メキシコの麻薬戦争がテーマになっているものだったりして、必ずしもフアレスだけで起こっている事件なわけではないのに、やはりフアレスは怖いところの代表みたいなイメージになっていたような気がします。

確かにそういった事件がフアレスで起こっているのは事実なのかもしれないです。でも私が訪れた感想では怖いことなどは何もなく、たくさんの人々が普通に生活していて、他のメキシコの町と変わりませんでした。

私の友人も「フアレスは世界中で怖がられてるけども、それは映画などで作り上げられたイメージが膨らんでしまっているだけ」と言っていました。

フアレスのさみしげな街並み

国境近辺から歩いてくると通りの光景は少し寂しげでした。以前はアメリカからの観光客で大変にぎわっていたそうです。

となり合わせのまったく異なった世界

フアレスはもともと普通の平和な町だったんだと思います。

ここに以前から住む人たちは何も悪くないし、恐いとも口にしないけども、心の中では安全とは言えない都市で暮らしていることを認め、もしかしたら恐怖と隣り合わせにいることを感じながら生活している人もいるのかもしれない。そんな勝手な想像を巡らせてしまいました。

私も先ほど、フアレスは怖いことなどは何もなく他のメキシコの都市と変わらないとは言いましたが、やはり怖くてビビっていたのは確かです。夜に出かけた時も、このクラブで突然銃撃が始まるかもしれない、建物が爆破されるかもしれないなど、冗談じゃなく心のどこかで感じていたというか覚悟していたような。

米国エルパソ側からみた夜景。

手前がエルパソで奥側の灯りが密集している部分がシウダードフアレス。エルパソでは2019年8月に大きな銃撃事件が発生してしまいましたが、全米の中でも最も安全な都市と言われていたというほど穏やかな都市なんだそうです。

国境をはさんで全く異なった世界がとなり合わせになっていますね。

いろいろなことに思いを馳せ、ロマンを感じるひとときでした。

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