魚のあら汁って下準備があったりして作るのが難しそうなイメージありませんか?私は魚料理もほとんどしないので、あら汁などはハードル高くて自分にはできないって思っていました。ところがペルー風のあら汁「チルカノ・デ・ペスカド」はあらの下処理などもせず、カットした野菜と煮込むだけで思ったよりも簡単。しかもセビチェを作った時の残りの材料を使えるので、パクチーやライムが余ってしまって使い道に悩んでいるような時にぜひ試してみてほしい一品です。
チルカノ・デ・ペスカドの作り方
魚屋さんで魚の頭や骨の部分がパックで売られているのをよく見かけたりしませんか?しかも夕方ごろだと半額になっていたりして「これを使えば美味しいスープが作れるんだろうな」なんて思ったりしていました。
というわけで今回はついに真鯛のあら汁(ペルー風)に挑戦、真鯛カブトを使ってチルカノ・デ・ペスカドを作ってみようと思います。
この「チルカノ・デ・ペスカド」を作るポイントは、
Point
- 魚は何でも良い
- あら以外はセビチェの材料の余り物で作れる。
というところです。パクチーやライムなどを使うので、しっかりと魚の出汁が取れつつ、さっぱりとした爽やかな味のスープになります。
チルカノ・デ・ペスカド(スープ)の材料
- あら(真鯛)…1パック分(頭、骨2匹分)
- 水…1リットル
- セロリ…茎の部分1.5本
- 玉ねぎ…半分
- パクチー…茎の部分を1束分
- ニンニク…2.5かけ
- 生姜…約15g
- アヒリモ(ペルーの唐辛子)…少量(※お好みで)
全ての材料を適当な大きさにカットしておきましょう。生姜とニンニクは包丁で潰しておくと味が出やすくなります。
あらは臭みをなくすために「霜降り」といった下準備などをする場合もありますが、ここでは洗うだけです。血合いの部分はきれいに掃除しましょう。
チルカノ・デ・ペスカド(スープ)作り方
まずは沸騰したお湯に魚のあらを入れます。アクがたっぷり出てくるので取りましょう。
アクを取ったら野菜を全て鍋に入れてしまいます。好みで小さくカットしたアヒリモを加えても良いと思います。アヒリモはとても辛いので、スープの味が辛すぎになってしまわないよう、入れるとしても分量は控えめに。
そこから中火で約45分。途中でやさしくかき混ぜたりしながら煮込みます。煮込み終わったらザルで濾してあげればスープの完成です。
出来上がったスープは塩とライム、細かくカットしたパクチーを加えてそのままで飲むこともできますが、今回はセビチェ作りで余った魚を具に入れたスープをこの後ご紹介します。
こちらは具なしのチルカノ。ペルーでは魚をメインに扱うレストランへ行くと、料理の付け合わせで出されることがたまにあります。※写真のチルカノはペルーのレストラン「Yamakawa」にて
セビチェで余った魚を具にしたチルカノ・デ・ペスカド
セビチェを作った時に少し余ってしまった魚の切り身を、今回作ったチルカノに具として入れてみることにしました。もちろんペルーでもこのような食べ方は一般的です。
またこのチルカノは、ペルー風セビチェには欠かせない「レチェデティグレ」の材料としても使うことができます。
魚の切り身を具にしたチルカノ・デ・ペスカドの材料…1人分
- 真鯛の切り身…2㎝角ぐらいにカットした物を5切れぐらい
- 玉ねぎ…好みの量(細かいみじん切り)
- パクチー…少量(細かいみじん切り)
- ライム…1カット分
- アヒリモ…少量(みじん切り、または薄く輪切り)
- 塩…3つまみ分ぐらい
- チルカノ…200ccぐらい
チルカノはもう一度濾して、熱くなるまで鍋で温めておきます。
まずはボウルに魚を入れて、塩を加えてかき混ぜます。さらにパクチーと玉ねぎ、アヒリモを加えて混ぜ合わせます。
混ぜ合わせた具をスープ皿に盛り、鍋で熱したチルカノを注ぎます。ライムを絞って完成です。
日本のペルー料理屋さんではこのチルカノ・デ・ペスカドに出会う機会があまりないと思います。私はペルーで初めてこのスープを知りました。料理の脇役的なスープではありますが、これもペルーでは魚介系レストランでは欠かせないメニューの一品でもあります。
ペルー料理は魚を使っているものも多く、日本でもいい魚はたくさん売られているので、ペルー料理を簡単に作れることができるのが嬉しいところですね。ペルー料理で使う食材は、南米食材店やオンラインショップなど購入が可能です。