東京都内や神奈川県にはペルー料理屋さんがいくつかありますが、数少ない日本人シェフがペルー料理の腕を振舞うお店、EL CEBICHERO(エル セビチェロ)をご紹介しようと思います。
Photo by o-dan
こじんまりとした一軒家のようなお店
東急東横線「祐天寺」駅東口を出て、昭和通りという少しレトロな感じのする道を歩いていると、小さなペルーの国旗が掲げられた一軒家の入り口のようなお店が見えてきます。そこが今回訪れたEL CEBICHERO(エル セビチェロ)。店内は2人がけと4人がけのテーブル席が1席ずつと、カウンター席のみでとてもこじんまりとしています。
「セビチェロ」というのはペルーの象徴的な料理であるセビチェの料理人のことを言うんだそうです。その名の通りここで食べたセビチェも絶品でした。
セビチェは必須!まずはコース料理の前菜から
私が行った時は年末だったのもあり、食材の仕入れの都合で、予約時に料理を決める必要があるとのことでした。なので3000円で5品というコース料理を選び、セビチェとロモサルタードをリクエストしてあとはおまかせに。
まずはじめの一品として、カンチャという乾燥させたとうもろこしを煎ったものが出てきました。塩が絡められているのでビールなのどのつまみに最高です。
こちらがセビチェ。新鮮な魚介をライム汁でしめたピリ辛のマリネ。その日の新鮮な魚を使って作られているそうです。もちろんお魚はプリンプリン!
日本人は刺身など生で魚を食べる習慣があるので、セビチェを食べる時も、魚の身が大きく、ぷりぷりしていればいるほど食べごたえがあって美味しさを感じると思います。
身がぷりぷりしているセビチェはペルー人シェフのお店でも食べられますが、どちらかというとライム多量で酸っぱさが強い感じです。でもこちらのセビチェは味少し控えめなので、魚の味そのものを楽しめることができました。
ペルー風コロッケのパパレジェナ。
ペルー風コロッケの中身はとても手がこんでいて、炒めたひき肉や茹で卵、オリーブなどがマッシュポテトの中に詰められていました。具自体にしっかりと味付けがされているので、ソースなしでそのままでも美味しくいただけました。
コリアンダーとほうれん草のとり肉スープ。この緑色がなんだかすごく健康的な色ですよね。ペルー料理ではスープの中にスパゲティやご飯がよく入っていたりするのですが、こちらのスープの中にもご飯が入っていました。どろっとしていて味の濃い、なかなか日本では味わえない体に良さそうなスープでした。
白いご飯が進む!メインのロモサルタード
見た目がカラフルで美しい!そしてポテトフライが丸っこくて斬新。味の方もしっかりと醤油とバルサミコのソースが絡んでいて、付け合わせで出てきた白いご飯がどんどん進んでしまいました。少しソースの味が濃い感じがしましたが、残ってしまった白いご飯をこのソースに浸してきれいに平らげました。やはりロモサルタードは「ご飯が進む。残ったソースもご飯のおかずにして平らげる」は定番ですね。
和風な味。ルクマのアイスクリーム
コースとは別だったのですが、シェフお手製のルクマのアイスクリームも注文してみました。
ルクマは見た目がアボガドに似ている南米原産のフルーツ。熟して食べごろになると果肉の色がオレンジっぽくなり甘みがでてくるそうです。カボチャみたいなもっさりとした食感で、果実そのものの甘みだけでも充分に味を楽しめるフルーツです。
アイスクリームで食べるときな粉のような味がする。ルクマはチョコレートをトッピングしてもすごく相性がいいんですが、ここでは和菓子にかかっている黒蜜のようなものがかかっており、これまた絶品でした。とっても和風な味です。
シェフとの近さを感じる、まるで一般家庭にお呼ばれしているようなお店
シェフは日本でも長年調理人としてのキャリアがあり、ペルー料理に関しては現地でも修行をされたという腕前なのだそうです。ペルー料理に関しての知識もとても深く、一品一品すべてに詳しい説明をしてくれるので、ペルー料理を深く知りたいグルメな人や、もちろん初めて食べるという人にとっても楽しみながら食事ができるお店だと思います。調理や接客などすべて一人で切り盛りをされていて、お客さんとの距離も近いのでまるで一般家庭にお呼ばれして食事をしているような感覚でした。
カウンター席もあるのでお一人様でも大丈夫そうです。こじんまりとした、席数の少ないお店なので予約で埋まってしまう日も多いようです。穴場で席の空いている日もあったりするみたいなので、気になったらぜひ訪れてみてください。ランチは週末のみの営業だそうで、ペルー人のお客さんもよくこられてるそうですよ。
【EL CEBICHERO(エル セビチェロ)】
住所:東京都目黒区五本木2−15−3
電話:03−6873−4081
営業時間:〈ランチ〉金~日 11:30~15:00〈ディナー〉17:30~21:00
定休日:水曜日