スペイン語国際試験のSIELEを初めて受験する決心したものん、申し込んでから試験日まであと10日という短い期間だったので、その間にできる対策を何か探してみました。
SIELEの試験内容をざっとチェックできそうな対策本
一番欲しかったのは過去問なのですが、まだ始まって間もない試験というのもあり、日本ですぐに手に入りそうな過去問集などはネットで探してもありませんでした。しかし何でもいいからSIELE試験内容の情報がほしい…そんな思いで検索し続けていたら唯一出てきたのが「SIELE, preparación para el examen: Modelos de examen SIELE (Spanish Edition)」という対策本でした。
この本はアマゾンの電子書籍Kindleでもダウンロード可能なので、購入後すぐに読むことができます。デジタル版だと500円もしないワンコイン以下の値段でダウンロードが出来ました(Kindle unlimitedのメンバーだと無料のようです)。外出先などでもモバイルで簡単に見れるのがいいですね。
全体のページは約130ページほど。意外と多かったので10日じゃ読み切れないと思って少し焦りましたが、中を開いてみるとA1~C1までの各レベルごとによる文法説明と、練習問題が20ページほどにわたってあり、巻末に試験モデルが掲載されています。レベル別に分かれているので、自分にふさわしそうな箇所から勉強し始めることができました。
もう一つの試験DELEの場合、始めからレベルを決めて受験するので、各レベルの対策本が数多く揃っていますが、SIELEはレベルを図るものなので全レベルに対応したものになってしまうようです。
各レベルで問われる主な文法(A1~C1)
この対策本によると、各レベルで出てくる文法はおおまかに以下のような内容です。スペイン語の文法をほとんど網羅しているので、SIELE対策としてだけでなく、スペイン語学習のための保存版にもなりそうです。
A1:現在形、現在進行形、命令形
A2:現在完了、点過去、線過去
B1:未来形、過去未来形、接続法現在
B2:接続法過去、未来完了、過去完了
C1:接続法過去完了、接続法現在完了レベル別の文法学習内容
練習問題の内容まとめ
各レベルの冒頭、数ページにわたって文法の説明があり、その後に試験に出される4つの技能「読む、聞く、書く、話す」のすべての練習問題があります。
練習問題の内容を技能別におおまかにまとめてみました。(B1、B2から部分抜粋 ※これは試験モデルではありません)
【読む】
- 短い文章の穴埋め問題・・・正しい動詞の変化を3つの回答の中から選択
- 長文の穴埋め問題・・・関係代名詞や接続詞などを3つの回答の中から選択するものや、回答群の中にある短文を選んで長文の中に埋めていくもの。後者は文全体の意味を理解している必要がある。
【聞く】
- スペイン語の曲を聴いて歌詞の穴埋めをする。
※SIELEの試験でこのような形式の問題は出題されないので、個人的にはこれはあまりSIELEの試験とは関係ないトレーニングだと思いました。
【書く】
- 設定されたシチュエーションに対して、いくつかの条件を含めて作文。書くのは手紙やメール、ブログの記事などを150~200語程度で(B2)
問題例:自分は居住しているマンションの管理代表をしているという設定。エレベーターが故障していて住人全員で費用を出し合って修理をしたいが、一人だけ賛同してくれない住人がいる。その住人から賛同しない意志と理由を述べた手紙を受け取り、それに対する返事の手紙を以下の内容を含めて作文する。
- 手紙の挨拶文
- エレベーターを修理する理由
- 全員で費用を出し合う理由
- 賛同してもらえない場合はどうなるのかを説明
- 手紙をしめる挨拶文
なかなか日本では起こらないようなシチュエーションですが、想像力を働かせて答えなくてはいけないところが作文や口頭試験の大変なところだと思います。
【話す】
- 写真を見ながら見えるものをそのまま伝える(30~40秒)
- 人にアドバイスを求める(60~90秒)
問題例:自分のパートナーへ特別な日にサプライズ旅行をプレゼントしたい。旅行会社に勤める友人に「何でプレゼントをしたいのか、どんなことが好きなのか、パッケージツアーの中に何が含まれていてほしいか」を説明しながらアドバイスを求める(B2)
SIELEの口答試験はモノローグ的に1人で話します。解答例などを参考にしながら、自分でもいろんな写真や絵などを見て何でもスペイン語で表現する練習をしておくと良いと思います。
表現をするためのスペイン語パターンはDELEの口答試験でも同じです。例えば「この写真から見えることは」といった言い出しの文句や「右から何番目にいる髪の黒い女性」といったような表現など。こういった表現はDELEの対策本でも代用できるでしょう。
試験モデルを解いてみた感想(読む、聞く)
【読む】
60分間で5レベルに分かれた問題を解いていくのですが、だんだんと難易度が上がってきます。レベルが上がるに連れて読む文章も長くなってくるので集中力も必要。回答は選択式なので、難しくなってくると当てずっぽうに選んでも偶然正解する可能性もあるかもしれません(実力ではなくなってしまいますが)。
【聞く】
55分間で6レベルにわたる問題を解いていきます。オーディオはYouTubeを使用しました(この対策本の中にリンク先が書かれています)。読解と同じように最初は短い文から始まっていくのですが、徐々に文章が長くなっていきます。
長い文章になるとスペイン語の内容を理解してることも当然ですが、それ以外にもポイントになりそうなところを記憶しておく訓練なども必要かもしれません。
どちらも問題の内容や形式はDELEとあまり変わらないかなという印象でした。このモデルでは何問正解したかでレベルをA1~C1まで判定することができます。
私のレベルはB1~B2でした。難しくなってきて解けなくなる問題が途中から出始めてきて、そのあたりがだいたいB1~B2だったのだと思います。しかし実際の試験はそう簡単には上手くはいかないと思ってしっかり勉強してからのぞんでください!
さいごに
SIELEの受験に申し込むと、公式ホームページのマイページ内でも試験モデルを入手することができますが、「読む、聞く、書く、話す」4技能全てのコースで50ユーロかかります。受験料の155ユーロに加えてこの値段は少し考えてしまいますね。
2019年2月の時点で、SIELEの対策本が出ているかどうかをスペイン語の書籍を扱う本屋さんに確認してみたところ、やはりまだそういったものは出ていないとのことでした。
一度SIELEを受験すれば次回はスコアアップを狙ったり、4技能のうちのどれかだけでもレベルアップしたいなど目標が出てきて、それなりの対策を自分で練っていくことになると思います。なのでこの対策本は、初めて受験するという人にとっては、試験内容を大まかに知る分には十分な内容なのではないかなと思い紹介させていただきました。