海外へ移住して現地で職探しをする必要があるとしたら、まず何よりも大事なのが就活に必要な履歴書です。今回は私が2010年と2012年にメキシコで就職活動をした時に作成したスペイン語の履歴書と職務経歴書を振り返りながら、スマートでシンプルな履歴書の書き方を説明していこうと思います。
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スペイン語の履歴書のフォーマットについて
スペイン語圏で職を探すのであれば当然、人事担当が現地の人であることも大いにあり得ます。そうなると日本語の履歴書以外にもスペイン語の履歴書が必然となります。
しかし初めてだと何をどう書いていいかわかりませんよね。私はインターネット検索でまずスペイン語の履歴書のフォーマットを探しました。その中からワード形式でシンプルなものを見つけて自分なりにアレンジすることにしました。アレンジといっても本当にシンプルで何のデザイン性もなく、項目と内容がつらつらと文字の大きさを変えて書かれている程度です。
【見本】
メキシコ日本商工会議所(CÁMARA JAPONESA DE COMERCIO E INDUSTRIA DE MÉXICO, A.C.)のホームページからもワード形式のスペイン語フォーマットをダウンロードできるようになっています。
こちらのフォーマットは私が見る限り、日本で使用されている一般的な履歴書の項目をスペイン語に書き直してあるもののような感じがします。商工会議所で用意されているフォーマットなのでメキシコで職探しをする分にはこれでも全く問題はないと思いますが、個人的にはスペイン語圏の人事担当のかたに自分をアピールするには、このフォーマットに埋めるだけでは少し項目がさみしいかなという感じがしています。
ちなみにメキシコで就職希望のかたは、メキシコ日本商工会議所へ履歴書(日本語・スペイン語)を送ると求職者リストに掲載してもらえます。私もメキシコで職探しをした時はこの方法で現地の会社から連絡をもらったりして、コンタクトを取ることができました。
スペイン語の履歴書を書いてみよう
私が作成したものは履歴書と職務経歴書が合体したもので、ワードで約3ページにわたるものでした。どんな項目を書けばいいかあれこれ悩んで苦戦しましたが、最終的に絞ったものをここに紹介しようと思います。
スペイン語の履歴書はCurriculum Vitaeといいます。まずはこのタイトルを一番上に書き込みましょう。フォントはCentury gothicまたはvardanaがよく使われているようです。
タイトル下の部分から1行開けて基本データを書いていきましょう。
基本(パーソナル)データ
- 名前 Nombre y Apellido
- 生年月日 Fecha de nacimiento
- メールアドレス E-mailまたはCorreo Electronico
- 出身地 Lugar de nacimiento
- 現住所 Domicilio actual
- 連絡先(携帯) Numero de celular
私は書きませんでしたが、既婚か独身かをこの基本データ部分に書き込む人もいるようです。
学歴:EducaciónまたはHistorial Academico
次に学歴を書いていきます。この次に書く職歴でも同じですが、日本の履歴書とは逆で直近のものから上に書いていきます。
学歴は以下の2項目に分けました。
- 高校や大学などの学歴 Educación
- 専門学校やその他社会人になってから資格を取るために通った学校などの学歴 Historial Academico
例:
Noviembre de 2⚪︎⚪︎⚪︎- Agosto de 2⚪︎⚪︎⚪︎
Academia ⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎ México D.F.
Curso de español intensivo avanzado (150 horas)
学校名の後に通った場所(都市、国)を書きました。また、スペイン語学校などに通ったのなら全何時間授業を受けたのかを書くのが一般的のようです。
職歴:Experiencia Laboral
ここで書くことは職務経歴書の内容です。学歴と同様、直近のものを上から順に書いていきます。現在就業中の場合はActualを使いましょう。また、英単語を略したような社名、例えばJALとかだったらJapan Air Linesのように正式名称も書いてあげましょう。日本ではJALといえば航空会社とすぐにわかりますが、海外の現地の人には通用しないかもしれません。スペイン語で株式会社のことはSociedad Anonimaを略してS.A.です。スペイン語では単語を略す時に「.」(ピリオド)が付きますので忘れずに付けましょう。
例:
Septiembre de 2⚪︎⚪︎⚪︎- Actual
JAL (Japan Air Lines) , S.A. Tokio, Japón.
Sección de contabilidad.
Control de egresos extra oficiales (Viajes, etc.)
資格:Licencias y certificaciones
持っている資格やスコアなどすべて書き込みましょう。資格証を持っている場合は、その発行日や有効期限も合わせて書きます(有効期限がない場合は発行日の後ろにSin feche de vencimientoと書く)。スコアは何点中の何点なのかを書きます。
例:
SIELE(Servicio Internacional de Evaluacion de la Lengua Española)
Expedicion : Septiembre de 2019
Calificaciones de pruebas : 500/1000
Vigencia : cinco años
語学力:Idiomas
ここでは何語をどれくらいのレベルで話せるかをパーセンテージで書きましょう。私は書きませんでしたが、日常会話レベル、ビジネスレベルなどと追加記入しても良いかと思います。母国語も忘れずに。
例:
・Japonés : Lengua materna
・Español : Oral 50%, Leer y Escrito 50%
・Ingles : Oral 50%, Leer y Escrito 50%
スキル:Habilidades
ここで書くのは資格とは違って、自分がこれまでに使ってきたソフトなどのスキル、どんなものをどれくらい使えるのかを書きました。例えばこのブログはWord Pressで作成していますが、ワードプレスも使えればスキルになります。パソコンスキル以外でも、仕事に関連しそうな特技等ならここに書いても問題ないと思います。
一般的なパソコンスキル:Software
ワードやエクセル、パワーポイントなどをどれくらい使えるか、ちょっと大げさかもしれないですが、インターネットやメールのやり取りをするOutlookなども書いておけば、パソコンが使えるということをアピールできます。
例:
・Microsoft Ofice:Word, Excel y Power Point
・Internet y correo electrónico Outlook Express
趣味:Aficiones
習い事や好きなこと何でも。ブログを持っているならブログを紹介しても良いかもしれません。
自己紹介や希望事項
これまでの自分の経歴をまとめてみたり、自分の性格、ボランティア経験など。メキシコで就職希望の場合は、勤務先が国内中にありますので希望する勤務地(Lugar de expectativa para prestación de servicios laborales)や希望給与額(Expectativa de salario)などもここに書きます。
この欄は履歴書を送る先の担当者が日本人の場合、日本語の履歴書に書いても良いと思います。
その他の注意事項
基本データの右側あたりに写真を貼付しましょう。特に商工会議所へ送る場合は、たくさんの企業の方が履歴書に目を通すと思います。写真があった方が相手にとってイメージが湧きやすく、コンタクトを取りやすいかと思います。
また細かいことですが、スペイン語にはアクセントがあります。アクセントが付いてなくてもわかるかもしれませんが、付いているのと付いていないのとでは全然印象も違うと思います。完璧にする必要はないかもしれませんが、できる限りアクセントやエニェ(ñ)などには気を配るようにしましょう。
最後にネイティブチェックをしてもらうとなお良し
職歴をスペイン語で書くのはけっこう大変な作業でした。スペイン語の職務経歴書は書かなくてもメキシコで就職が決まったという話も聞いたことありますが、あるに越したことはありませんし、頑張って書いたのを認めてくれたりして差がつくかもしれません。
とはいうものの、スペイン語の職務経歴書(履歴書)をはじめて書いた時は、文章が薄っぺらく感じてしまったり何よりもこれで相手の人に通じているのか自信が持てませんでした。
たまたまメキシコ人の友人が手助けしてくれたおかげて、最終的にはだいぶ整った履歴書になり、安心して提出することができたのもよく覚えています。偶然にも手助けしてくれる友人がその時にいたのでラッキーでしたが、もしそういう人が見つからなかったら、クラウドソーシングなどでスペイン語ネイティブのかたにチェックを依頼するつもりでした。
履歴書が一通りできたら試験官になったつもりで読み返してみて、この人を雇いたいって思われるようなものになっているかきちんと見直してみましょう。スペイン語は完璧でなくても大丈夫だと思います。私はスペイン語圏で働きたいんだ!という熱意を伝えましょう!
この記事ではスペイン語の履歴書について書きましたが、日本企業なら日本語の履歴書も当然必要で、スペイン語の履歴書以上に中身を重視するところもあるかもしれません。どちらも丁寧に取り組んで面接までつないでくださいね!